知識を「安心」に変える:お家でできる皮脳腸ケア
第1回から第4回にかけて、皮膚・脳・腸が、お子さんの情緒、睡眠、そして肌の状態に深く関わる
「三位一体の安心回路を担っていることをお伝えしてきました。
不安定な気持ちや不調は、この回路が「外側と内側のセンサーからのノイズ」で混乱しているサインです。
しかし、ご安心ください。
私たち鍼灸マッサージ師が行う専門的な施術だけでなく、ご家庭で毎日行う「手当て」のチカラでこの安心回路を優しく育て、整えることができるのです。
今回は、これまでの知識を活かして親御さんが毎日できる、最も簡単で効果的なセルフケアを具体的にご紹介します。
1. 外側のセンサー(皮膚)を整える:不安を和らげる「ふれあいタッチ」
前回、優しいタッチが安心ホルモン(オキシトシン)を増やし脳の緊張を緩めることをお話ししました。これは特別な技術ではなく、親御さんの愛情が詰まった触れ合いこそが最強のケアです。
- ポイント:
- 「ゆっくり、一定の速度で、優しく」が基本です。
さするように、背中や手足を広い面で触れてください、強く揉む必要はありません。 - 特にお子さんがリラックスしやすい背中全体や、神経が多く通る手のひら、足裏などを、
「大丈夫だよ」と声をかけながら行ってみてください。
- 「ゆっくり、一定の速度で、優しく」が基本です。
- 期待できる効果: 脳に「安全だ」という信号が繰り返し入力され、過敏になっていた皮膚センサーのノイズが落ち着き、情緒が安定しやすくなります。夜寝る前の習慣にするのもおすすめです。
2. 内側のセンサー(腸)を優しく整える:お腹の温活「手当て」とツボ
前回、夜泣きや不眠、肌荒れの原因の一つが「お腹の冷えや緊張」であることをお伝えしました。
内側のセンサーである腸の動きを安定させるためには、温かさが不可欠です。
- 簡単な温活(手当て):
- 親御さんが自分のお腹に手を当てて深呼吸を10回、ゆっくりとしてください。
その後の手のひらをこすり合わせ、温かくなったか確認をした手のひらを、お子さんのおへその周りに「の」の字を描くように優しく当ててみてください。
ご自身の温かい手が、腸に安心感と血流を送る最高の「手当て」になります。
- 親御さんが自分のお腹に手を当てて深呼吸を10回、ゆっくりとしてください。
- お腹のツボ:
- 「天枢(てんすう)」: おへその左右、指3本分ほど外側(本人の指で)にあるツボです。
ここを、親指の腹で息を吐きながらゆっくりと優しく押してみてください。
【腸の蠕動運動を助ける働きがあると言われています】
- 「天枢(てんすう)」: おへその左右、指3本分ほど外側(本人の指で)にあるツボです。
- 期待できる効果: 温かさと適度な刺激が、腸の緊張を緩め、便通の安定をサポートします。
内側が安定することで、脳へ送られる不快な信号が減り睡眠の質が改善される可能性が高まります。
まとめ:専門家のケアと家庭のケアを両立しましょう
私たちは、専門的な鍼灸マッサージの技術を通じて深部の緊張や自律神経の乱れを整えます。
ですが、毎日お子さんに寄り添い、優しく触れる親御さんの存在こそが最高の効果を生み出します。
- 当院の施術で安心回路をリセット・調整し、
- ご家庭での「ふれあいタッチ」で安心回路を毎日育む。
この両輪で、不安定な毎日を「安定した笑顔の毎日」に変えていきましょう。
次回、最終回では、このシリーズの知識を総括し、「当院のトリプルアプローチ」が、お子さんの不調をどのように根本からサポートするかを改めてお伝えします。
✨ 知識を「安心」に変える最初の一歩を踏み出しましょう。
日々の不安を減らすセルフケアを始めても、なかなか安定しない場合は、深部の緊張が残っているかもしれません。
お気軽に当院にご相談ください。
鍼灸マッサージ まんぷく 
